潤滑油になれない人

 職場に食堂があり、事務所のある建屋とは違う建屋に入っているため、昼食時には5、6分歩いてごはんを食べに行く。今日の昼休みは珍しく先輩社員と世間話をしていたため、そのまま連れ立って食堂まで向かう運びとなった。世間話ほど苦手なものもそうそうないけれども、円滑な業務と生活のために何気ないコミュニケーショをとっておくのは得策である。幸いに先輩社員が楽しそうにスポーツのことなんかを話しているので、相槌をうちながら傾聴していればよい。

 そうして事務所のある建物を出たのだけれども、そのときに見た空が本当に素晴らしかった。空気が澄んできれいに青みがかって、薄く綿を敷いたような雲がなんとも言い難い、複雑な美しい模様を描いている。1人であったならば、その感動を噛みしめて束の間の安息を得たであろうに、連れ立っているがためにゆっくりと感じ入ることができなかった。なんというもったいないことをしてしまったのだろう。タイミングの悪さを呪いたくなる出来事だった。

 他人とコミュニケーショをとるというのは、人間には欠かせないことだと思うけれども、僕にはどうもうまくいかないことが多い。いろんな人と気持ちよく会話できるひとはすごいな~と思う。