減価償却

 業火滅却ではない。
 会計処理のひとつである減価償却。会社の経費でモノを買った際、一定額以上の固定資産である場合はこれが適用されると通達を受けた。素人にいきなりそんなことを言われてもわからんので、さっそく調べてみる。そしてそんなものは僕に関係ないよねぇ、と思いきや意外なところで使えそうな気もしてくる。

そもそもどういうルール?

 工作機械などの高額資産を導入する場合、法律で定められた年数で支出を分割し計上していくこと。計算方法には、平たく言うと単利と複利のような2種類がある。単利のほうを定額法といい、耐用年数で購入代金を割り、毎年同額ずつ償却する。例えば、1,000万円で耐用年数10年の固定資産を購入した場合、1,000万円÷10年=100万円/年ずつを10年かけて償却することになる。複利のほうは定率法といい、未償却の金額に一定の利率をかけて償却していく。めちゃくちゃざっくり言うとこんな感じ。細かいルールは面倒なので省略していく。

なぜそんなことをするの?

 企業が資産を導入する場合、その目的は新たな価値を作りだすことにある。工作機械の場合、工場などに設置された機械が製品(価値)を作ることによって企業に利益をもたらす。減価償却を使わない場合、資産を購入した初年度は大きな支出が生じるが、その後は0になる。しかし、その資産は価値を生み出し利益を創出し続けるので、費用と収益の対応関係が取れなくなってしまう。これにより、企業の収支の実態が見えづらくなってしまうのを防ぐために、上述の方法をとる。また、毎年減価償却を費用として計上するので、税制的にも有利となる。

だからなんだってんだ?

 つまるところ、減価償却の思想は「購入した資産がその年に価値を生み出すために使用した分の費用を毎年計上する(使い切るまで)」ということになる。ふむふむ。で?経営者にとっては大事なことなのかも知れないけどね、まだまだお金の流れにはアンテナ張り切れてませんわ~。といった具合に記憶の倉庫へしまい込みそうになっていた矢先、買い物中のふとした瞬間にこいつが使えそうな予感が…!

今週の食費高…いや待て、これは…!

 週末に買い物へ出かけ、その週の食物をひと通り購入する。大体1週間で5千円、月2万円の予算でうまくいっている。しかし、3か月に1回くらい2万円を超えてしまう高円ゲル係数月が発生してしまう。いったいなぜ?ステーキを焼きすぎたのか?ナチュラルチーズを衝動買いしすぎ?鳥ハム作り置きしすぎ?タンパク質とりすぎ?考えてもまったくわからない。家計簿つけとけばよかったな~と思いながら、思っているだけの毎日。そんな日々に甘んじているなか、今日の買い物でとうとう気づいた。
 米、麺、調味料だ。たまたまいっぺんにきれてしまったこれらをいちどに買ったところ、レシートを見て冷汗がでてしまった。今月は梅干しで乗り切るしかないのか、と赤貧生活を覚悟しかけたが、いや待て!これまでだって同じようにものを買ってきたんだ、なにかがおかしい…。そこで買ったものをよく見れば、そうか!僕は3か月分の食料や調味料を今日まとめ買いしている。それを今週の支出としているから見かけ上買い過ぎているように見えるだけなんだ。試しに4週×3か月=12週でそれぞれの単価を割れば…うん、妥当!

食べる分だけ減価償却

 これまで、2万円を超える月とそうでもない月でトントンだからまぁいいか、としてきた。しかし、数か月にわたって消費する食物を、食べた分だけ支出として計上すれば毎月安定した支出となる。この上エンゲル係数が上下することがあれば、突発的な要因があるはずなので的確なフィードバックがはたらくはずだ。めっちゃ理にかなってる。減価償却、そういうことねぇ。家計を営むという意味では僕も経営者。やっぱり役に立たない知識なんかないんだな~と思う。いや、知識が役に立つというより、知識を役立てるのが人間なんだなと改めて納得する。たいしたもんだよ、脳みそってやつぁ。